工場実習では、改善提案というのがどこの製造業でもあるかと思います。
改善提案とは、
工場内で1分でもいいので時間短縮の仕組みや、
ミスを減らすような仕組みを作ったりする活動の事です。
提案とあるのですが、やっていないことを書いても評価されず、
実際は改善したことを書くのが普通です。
できなさそうな案だけ言っても仕方ないということです。
大きな改善をしたい場合は、
班長に相談・説明をして承諾をもらったら改善を実行し、
効果が出たら改善提案を書くという流れになります。
改善によって報酬が出て、
改善の大きさによっては数千円もらえることもあります。
普通は1件、数百円です。しょうもないやつだと0円で参考として扱われます。
だいたい新入社員は3か月の工場実習の間に1件書くように言われます。
この時、始めに思うのが
えー、働き始めてすぐにそんなことできるわけないじゃん!
と思うかもしれませんが、ある手法を用いれば割と簡単に改善提案が思いつきます。
それは
ストップウォッチを使うことです。
ストップウォッチは測定道具だから何の改善になるの?
と思うかもしれません。
しかし、ストップウォッチは作業時間を測ることができ、
時間測定は改善を行う上で最も重要になります。
時間を測定することで、改善前後の証拠を示せます。
そもそも改善をした、ということを示すのは
”~時間短縮した”ということを示す以外、困難です。
例えば、とある工場作業の指示された方法は平均15分かかっていたとします。
しかし、自分の中で別の方法があったとして、
それを実践して平均14分にできたのであれば立派な改善です。
それが1日に10回繰り返す作業であれば、10分の改善をしたことになります。
班長に言って、その改善した作業方法で問題ないようであれば、
その方法を作業容量書に書いてもらえば、実績となり、改善提案が書けます。
ミスしやすい作業を減らす場合も有効です。
ミスをした時にかかる時間を計測すれば、ミスを減らす改善も簡単に示せるようになります。
ミスをすると2分のロス、そのミスを1日3回から1回に減らすような改善をしたら、
それも1日4分の改善となります。
今まで、箱を水平において物を一つ一つとっておりそれが5分だったとします。
何か箱の下に小さい箱を置くなり、箱の中に板を敷いて、
箱を傾けて取りやすくして作業時間が4分になったら、それも立派な改善です。
ここまで書いた改善のポイントは、作業時間がはっきりわかるという点です。
しかし、これらを時間表示せずに
・通常の作業方法から新しい作業方法に改善した
・わかりやすい表示を出してミスを減らした
・水平になっていた箱を傾けて取りやすくした
だけ書いて改善提案書を提出すると、改善提案書の採点者は
『勝手に規格の作業方法を変えて作業している』
『わかりやすい表示ってなんだ?これで本当にミスが減ったのか?そのミスって、どんだけのロスなんだ?』
『箱傾けたからなんなの?
取りやすくなっても、どれくらい時間削減したかわからないし、簡単に思いつく内容だから参考程度として参考(0円)改善案として扱おう』
となります。
具体的な改善を示すには、その改善に貢献した時間を書く必要があります。
そのためにも、ストップウォッチが必要なのです。
ストップウォッチは100円ショップで買えますし、
無かったらキッチンタイマーでも問題ないです。
改善方法について、またもう一記事書いていこうと思います。
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