【エンジニア必見】失敗学を知らないとニュースになるような大きな失敗をしてしまう

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導入

何か製品の事故やリコールでニュースになった時、

この事例は過去の~と類似であり、きちんとした対策が取られていなかった

と書かれます。

 

しかし、そういうニュースを聞くと

エンジニアとして過去の事例をすべて把握するのは不可能では?

という想いに駆られます。

 

そりゃ、失敗した後に原因を突き止めて、似た事例があるのはわかるけど

そもそも歴史を振り返れば何回も同じような過ちを犯しているじゃないか、

なんで科学技術の分野だけこんなに当たりが強いんだ、と。

 

そうはどうしても思ってしまいますが、

科学技術の場合はきちんと失敗対策を施せば起こらなかった事故のため、

ミスしたときの当たりが強くなりやすいです。

 

一方、政治や経済に関しては複合的な要因が絡んでおり

全く同じ状況は無く、

原因がそもそもわかっていないこともあるため

同じミスがというような報道はされづらいです。

  

よく、製品に事故の予防対策をするとコストが上がってしまうので、

コストぎりぎりを攻めて失敗をした事例が多いのは仕方がない

と捉えてしまいがちです。

 

コスト増を引き起こすため、対策にも限りある、という論調ですが、

大きな事故というのはそもそも

過去の失敗事例をよくわかっていないで生じてしまったケースがほとんどで、

対策を取っても構造の一部を変えるだけで

コストが変わらない事例も多いのは事実です。

しっかり過去の失敗例から学んで、対策を取ろうとするのは必要です。

 

とはいっても、膨大な量の失敗事例があるので、

まずは、どのような考え方で過去の失敗をとらえる必要があるのか(失敗学と原因調査の仕方)と、

過去の良い失敗事例は無いのか

という順序で説明していきます。

 

失敗の捉え方

失敗学について

失敗学とはその名の通り、失敗に対する学問です。

 

本質として失敗が起こった際は表面的な対策を取るのではなく

根本原因を探るということです。

 

本書で紹介されている内容で

例えば、病院で看護師が、患者 Aさんと患者Bさんに渡す薬を間違えた事例がありました。

原因調査すると、薬を渡すとき確認は1回したが間違えて渡してしまった

ということがわかったので

間違えないようにチェックすること、

二人の看護師でダブルチェックすること

よく確認すること

というような対策が挙げられがちです。

しかし失敗学では、これらのような精神論と労力が大きく増えるのを対策と捉えるのは

本質的で無いとしています。

 

ここで、もう少しミスをした人の話を聞いて

根本原因を聞いていくと

患者Aさんと呼んだのに患者Bさんが来た、

患者Aさんと患者Bさんが高齢で顔の違いが分かりにくかった

ということがわかった場合、

よく確認するやダブルチェックでは、ミスする可能性があります。

 

それよりも、診察の時に名札を首から下げてもらう

という対策をとった場合は

これまで述べた人違いのミスを防げるので根本対策となります。

 

ミスをした後に

気を付けてね、よく見てよね、きちんとしてよ

と言ったところで再発の効果は薄いです。

本人は気を付けていなかったつもりも

不真面目なつもりもなかったのに、

それを言うだけで終わると、納得しません。

 

もし注意するだけの対策後に再発をしてしまった場合は、

次はより強く怒られるのはわかっているので

ミスを報告しない隠ぺい体質に繋がってしまいます。 

 

この話は会社でのミスに対しても当てはまる部分で、

失敗学を学ぶことで会社での人為的なミスも対策できます。

 

根本原因を見つける方法

本当に直すべき原因を見つける方法は

上位概念に登って考えることです。

その方法というのが、ある程度の理解が無いと出来ないです。

ですが、その詳細の説明は紹介した本に譲ります。

 

下記に2つ紹介していますが、

どちらも同じような内容なので片方だけでよいと思います。

表現や違った事例が載ってあるだけです。

 

具体的な失敗事例集

続いて失敗事例について述べていきます。

自分と同じ業界の失敗事例は是非ネットで調べて詳細まで把握しましょう。

 

クレームの場合は、その際とった対応と世間での評価まで確認しましょう。

自分の業界のこの部分は必ず知っておくべきです。

 

しかし、ネットで調べても不明瞭な部分はどうしてもあったり、

他業界の参考になる事例を学ぼうとした場合、

ネットで調べる手法だと膨大な量があるので調べたり読んだりする時間が不足します。

 

そこで紹介するのは、失敗ごとに分類した事例集である下記の2冊です。

失敗百選では

技術的な要因と組織的な要因に分けてあり

技術的な要因は腐食、座屈、疲労破壊、共振、など

技術的に起こりえる失敗事例を載せています。

 

逆に言えばその分野特有以外の失敗事例を把握できます。

 

よって、失敗学を学ぶことで失敗の対策の考え方を学び

失敗百選で網羅された技術的な失敗事例を学び

自分の業界独自な失敗事例を調べれば抜けは無いです。

 

業界独自な失敗事例は、失敗百選で書かれていない事例と思えばよいでしょう。

例えば、電子部品の故障事例などは載っていないです。

 

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